少し役立つ豆知識

 漏水!

  住戸内で漏水している可能性のあるときは、いろいろ調べる前に住戸の水
  道元栓を直ちに閉めることを住民の方に徹底しておきましょう。
  給水管・給湯管が原因の場合は、階下の住戸への被害が少なくてすみます。
  元栓を閉めてから、修理業者に連絡を入れましょう。

  床下点検口を作っておくと、万が一の時に役立ちます。水廻りの設備が集中
  しているところに設けられると良いと思います。点検口をあけてコンクリート
  床が湿っていたり、水たまりが出来ていれば漏水しています。又、漏水した時
  は、点検口をあけてコンクリート床に溜まった水を汲み出すことが出来ます。

  住戸内の天井から水漏れがあったとしても、その真上の住戸から漏水してい
  ると決めつけるのは早計です。配管から漏水してコンクリート床に溜まった水
  は床の低い方向に向かって流れ、その途中のコンクリートの隙間から滲んで
  くるためです。
  
 配管の延命!

  配管寿命を延命させる方法があります。
  
  *給水管の内面の腐食を抑制する方法としては
  @ライニング工法
   管内面を洗浄し、その後、エポキシ樹脂を管内面に塗布します。管内面で
   露出している鉄部を被覆することで酸化による腐食を抑制する方法です。
   特徴:2回塗り(wライニング)工法は効果が確実。難点は高コストである
   ことと工期が長いこと。

  A脱気工法
   酸化の根本原因である水中の溶存酸素を機械的に取り除くことにより、鉄
   部の酸化腐食を抑制する工法です。
   特徴:装置が正常に機能する限り、効果は確実。難点はメンテナンスが必
   要であること。

  B磁気工法
   水を磁化させることで、赤錆を黒錆に変化させ強固な防錆皮膜をつくり、
   赤錆の発生を抑制する工法。
   特徴:多数のメーカーがあり、低コスト商品が多い。難点は設置による効果
   の検証が難しいために、信頼性のあるメーカーを選定する必要がある。


  管の内面の劣化対策を検討することは大事ですが、屋上配管(給水・消火)の
  外面腐食に対する検討を忘れてはなりません。屋上配管は保温カバーがしっ
  かりしておれば大丈夫ですが、カバーの劣化により接合部から雨水が入ると
  管の外面が腐食してきます。

  *排水管については、定期的に実施する清掃の方法とその周期がかなり寿
  命に影響を与えます。
  排水管の清掃方法としては
  @高圧水洗浄
   噴射ノズルのついたホースを管内に入れ、100キロ以上の水圧をかけて洗
   浄する方法です。

  Aワイヤによる清掃
   ワイヤの先端に取り付けたヘッドを管内に入れ、ヘッドを回転させることで
   汚れを削り落とす方法です。難点はワイヤヘッドにより管に傷が付く可能性
   があります。

  B薬品による洗浄
   酸・アルカリの薬品で管内に付着した汚れを溶解し、水で洗い流す方法です。
   難点は酸・アルカリにより管が腐食する可能性があります。

  他に空気圧を利用する方法もありますが、主に上記の3方法です。
  建物の用途により清掃方法が変わりますが、マンションでは高圧水洗浄をお
  薦めします。又、清掃の周期は1年に1回程度の割で実施されることをお薦
  めします。

  *消火管の寿命を延命させる方法。
  消火管の管材としては一般的に亜鉛メッキ鋼管が使用されています。そして、
  本来、管の内面に腐食はほとんど発生しません。その理由は管内に水を貯
  めている状況では管内の水中の酸素が次第に無くなり、酸化による腐食の
  進行が抑制されるためです。しかし、一旦水の流れが起きると酸素をたっぷ
  り含んだ水が管内に入ってくるために、腐食が起きてしまいます。水の流れ
  が起きる理由は主に埋設部の管が外面腐食により、漏水することによります。
  一般の方が、漏水しているかどうかを調べることは難しいですが、屋上にある
  消火管のテスト弁から少し水を流してみて、水の色がかなり目立つ赤水の場
  合には漏水している可能性があるので、専門家に調査を依頼されることをお
  勧めします。漏水が発生しても早期に修繕すれば管の内面の腐食の進行は
  止まります。


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